タグ:文楽 ( 20 ) タグの人気記事   

2012年文楽正月公演感想   

これまた今ごろになってしまったが感想をちょっと。

●文楽正月公演(国立文楽劇場)
鑑賞日:2012年1月7日(土)第一部

「七福神宝の入舩」
この祝言の演目が、お正月らしくて一番よかった。七福神が出てきて、それぞれ芸を披露するもの。芸を披露することが、この世に祝福を与えて、邪気を払う、悪いことが起きないようにする力を持っている。そういう芸能本来の姿かたちを晴れやかに見せていただいた。演者の皆様、巧みで、大きな風格。

「菅原伝授手習鑑」
茶筅酒の段
喧嘩の段
訴訟の段
桜丸切腹の段
「手習鑑」は、私、いまだにすんなり世界に入っていけないが、それでも昔に比べると見方が変わってきた。いろんな話が詰め込まれている中を貫く空気のようなものがあって、それぞれの心理の押したり引いたりが若い頃よりおもしろく感じられるようになってきた。

「三十三間堂棟由来」
柳に戻って姿を消してしまうところも、切られた木が引いていかれるところも、本当は家族が引き裂かれる悲しい話なのに、ファンタジーを見ているように感じられ、悲しみが中和される。不思議なおもしろさ。宝暦年間(宝暦十年・1760年)に豊竹座で初演された『祇園女御九重錦』(若竹笛躬、中邑阿契の合作によ五段続きの時代物)の三段目部分が評判を呼び、「三十三間堂棟由来』として単独で上演されるようになったものとのこと(プログラムの解説によっています)。江戸時代の人はどんな風に観ていたのだろう。

パンフレットのインタビュー
文楽のパンフレットには、毎回「技芸員にきく」という、出演者のお一人にじっくりお話を聴くインタビューコーナー(全3ページ)がある。雑誌『上方芸能』編集長の広瀬依子さんが聞き手を務めておられ、私はいつもこのインタビューを、今回はどなた? どんなお話? と楽しみにしている。昔の貴重な興味深いお話が、つい昨日のことのようにさらりと語られていたりする。

今回の正月公演パンフの「技芸員にきく」は住大夫さん。以下、記事テキストから一部引用します。「六十五年やっていても」というお言葉、すごいです~。

「……(前略)……先輩師匠方が厳しく親切に稽古してくれはったおかげやと感謝しています。入門した時、何歳までやろうと考える余裕はありませんでした。ライバルはいましたか、と聞かれることもありますが、それもなかったですなあ。自分のことだけを精一杯やってたんですから。
朝から晩まで怒られてましたけど、それでも楽屋は楽しかったですなあ。……(略)……これからも文楽の興業価値がなくならんように、努力を続けていかんとあきまへん。六十五年やっていても、いまだに迷うてます。絶対に上手には出来まへん。下手やけど一所懸命やってるな、また劇場に行ったろか、とお客様に思うていただけるように勉強せないかんと若い者に言うてます。……(後略)……」(2012年1月文楽公演パンフレット「技芸員にきく」竹本住大夫さん(聞き手・『上方芸能』編集長、広瀬依子さん))

[PR]

by lily63 | 2012-04-13 23:50 | 古典芸能 | Comments(0)

2010年「錦秋文楽公演」感想   

f0008737_044689.jpg


昨年10月文楽錦秋公演の感想、今日は力尽きたので、もう寝ます(^^)。文楽劇場前で撮った写真(2010年10月30日撮影)だけ上げておきます。初日だったので、「本日初日」の看板。演目は下記。感想は明日以降にまた。

去年行った直後の記事がこちら

2010年10月30日、「錦秋文楽公演」初日、昼の部(国立文楽劇場)
「嬢景清八嶋日記」(むすめかげきよやしまにっき)
●花菱屋の段
皆さん、巧みで、いつの間にか物語世界に引き込まれてしまう。次の「日向嶋」へきれいにつながる。竹澤団七さん(30年前からファンですよ!)の三味線が聞けてうっとり。

●日向嶋の段
咲大夫さん、燕三さんで、最強。咲大夫さんがとにかくすごい。最初から最後まで、「わあ~っ!」とぞくぞくした。実際、あの場で聴いた人でないとわからない。すごいなあという言い方は安易だけど、まずそう言ってしまう。燕三さんは、まさに女房役。

私も時代物のよさがわかるようになってきたわあ、とちょっと嬉しい。地味でなく、実はとても派手でドラマチックな演目だ。

「近頃河原の達引」(ちかごろかわらのたてひき)
●四条河原の段
何もそこで殺さなくても、とか思ってはだめですね(笑)。

●堀川猿廻しの段
おしゅんの兄、猿廻し与次郎(人形:桐竹紋壽さん)の猿廻しの芸を見せる場面、いろんな動きがすごく巧みでおもしろい!猿廻しの芸にのせた文句に、妹と伝兵衛に死なずに生き延びてほしいという兄としての痛切な思いが重ね、重ねされていき、圧倒され、涙が出そうになった。語りは、住大夫さん(切)→津駒大夫さん(後)。
[PR]

by lily63 | 2011-02-10 18:17 | 古典芸能 | Comments(0)

文楽初日に行ってきた!   

きょうは、国立文楽劇場で、錦秋文楽公演初日、第1部(昼の部)に行ってきた!
http://www.ntj.jac.go.jp/performance/3580.html

第1部
「嬢景清八嶋日記」
(むすめかげきよやしまにっき)
 花菱屋の段
 日向嶋の段

「近頃河原の達引」
(ちかごろかわらのたてひき)
 四条河原の段
 堀川猿廻しの段

すご~くよかったです!
近年観た中で、終わってからも興奮さめやらぬ度、上位3本に入るおもしろさ。

演目的には、夜の部のほうがどちらかというとメインでそっちを観に行かれる方のほうが多いかもしれないが、今回の昼の2本、すごくいいですよ!

またブログに感想書きますね。
[PR]

by lily63 | 2010-10-30 18:01 | 古典芸能 | Comments(0)

2010年文楽正月公演感想   

f0008737_21471829.jpg

f0008737_2303390.jpg


成人式が済んでほっとして連休明けから風邪気味だったのですが、だいぶ持ち直してきたので、1月16日(土)に文楽に行ってきました。

国立文楽劇場、ほぼ満席。お正月公演なので、お着物のお客さんが多くて、年配のお客様の豪華な訪問着も、若いお嬢さんの清楚な小紋も素敵で、ちらちらと帯や着物の柄を観察してしまう。素敵だな~と思ったのは、どちらも年配の方(60~70代ぐらい) で、紫がかったグレー地に白っぽい柄(雪輪のような)の小紋の方と、渋いおちついた紫地の訪問着で柄もそんなに派手ではないものをお召しになった方。グレーや紫は本当に着物を着こなせないと着られない色だと思う。いつかああいうのを着られるようになりたいな~と遠くから拝見した。

で肝心のプログラム。行ったのは昼の部です。
「伽羅先代萩」
竹の間の段
御殿の段

「お夏清十郎 寿連理の松」
湊町の段

「日高川入相花王」
渡し場の段

全体に、お正月公演らしい華やかな雰囲気の舞台だ。
先代萩は、桐竹紋壽さんの人形(政岡)も本当に黒子のように透明でご自分が前に出られることがなくて素晴らしかったと思うんだが、わが子が身代わりに殺されるという設定が、(その時によるんだが)この日の私の気分にいまいち合わず、もうちょっと体調のいい時に聴きたかった。

お夏清十郎は、2人が心中しない改作物で、これはこれで正月公演なので気楽に拝見できてよかった。

日高川、安珍清姫は、娘が蛇にかわるという見た目のおもしろさもあり、ぱっと華やかで見やすかったです。私のお目当て、三味線の竹澤團七さんがこの作品に出ておられるので一番力を入れて拝見。いやあ~やっぱりよかったです。この方のお三味線は、円熟してらっしゃるのはもちろんのこと、何より芸に色気があるんですね~。あれは何だろう、すばらしい。
[PR]

by lily63 | 2010-01-20 23:17 | 古典芸能 | Comments(0)

2009年4月文楽公演感想   

f0008737_1784967.jpg


国立文楽劇場開場二十五周年記念
文楽4月公演 『義経千本桜』通し
公演期間:2009年4月4日(土)~4月26日(日)
会場:国立文楽劇場

観劇日:4月18日(土)第2部(=夜の部)
『義経千本桜』
三段目  椎の木の段
      小金吾討死の段
      すしやの段
四段目  道行初音旅
      河連法眼館の段

三段目、じっくり聴けて、よかったです。
四段目、道行初音旅、いやあ、これはもう華やかで目の保養をさせていただきました。
だって、狐忠信が桐竹勘十郎さん、静御前が吉田簔助さんですよ!!道行きの様子、幻想的な絵のような美しさ。はあ~っと見とれてしまいました。師匠の簔助さんの、円熟して、一歩引いて、弟子の勘十郎さんを立てて、余裕で遣われる、おっとりと上品な静御前。対して、勘十郎さんの、忠信の男前ぶりと「実は狐」という現実離れした雰囲気が見える巧みさ。

河連放眼館、狐の正体をあらわしてからが見応えありますね。
やはり勘十郎さんが素晴らしかったです。すごく巧み。動きが多く派手ですが、やり過ぎに見えず、上品なんですよね。子狐の悲しい心情に、身を乗り出してしまいます。勘十郎さんは、どういう役をされても、こせこせせず大らかな風があるのが、いつも素敵だな~と思うところです。最後、鼓を抱いて天に帰っていくところで、やっぱり、はあ~っ!と、陶然として見惚れました。
[PR]

by lily63 | 2009-06-13 17:09 | 古典芸能 | Comments(0)

2008年に観た古典芸能   

●初春文楽公演
1月5日(土)国立文楽劇場
第2部『国性爺合戦』
「平戸浜伝いより唐土船の段」
「千里が竹虎狩りの段」
「楼門の段」
「甘輝館の段」
「紅流しより獅子が城の段」

●夏休み文楽特別公演
8月2日(土)国立文楽劇場
第1部『西遊記』

「講談毎日亭~葉月一週間~」
3人の方が、それぞれの演目を1週間毎日、続き読みで語られる会
期間:8月1日(金)~8月7日(木) 会場:鶴橋・雀のおやど
鑑賞日:8月7日(木)

演目(御出演順)
旭堂南青さん「木村長門守重成」
旭堂南湖さん「三国志」
旭堂南海さん「決起、大塩平八郎」
[PR]

by lily63 | 2009-03-31 21:49 | 古典芸能 | Comments(0)

2008年夏の文楽公演感想   

8月2日(土) 文楽劇場に行ってきた。

第1部(11時開始)「西遊記」を観る。
夏の公演は3部制で、第1部で子ども向けプログラムをやっている。
「西遊記」
普段の文楽にはない、子ども達向けのサービス精神いっぱいの楽しい演出。
語り物の古典芸能というより、人形劇としての面を強調している。
親子連れで満席。お子さんのマナーもとてもよくて、ちっちゃな子も一心に舞台に見入っている。途中休憩後、後半開始の前に簡単なレクチャー(文楽人形の仕組みの解説、実際に子どもを3人舞台に上げて、3人で人形を遣ってもらう)もあった。

最初から最後まで、とても楽しめた。お客が子どもだからこそ、絶対真剣勝負でなければならない(もちろんいつもいつも真剣勝負でいらっしゃるけれど)という緊張感が演者さん側にあったように思う。

以下、私が惚れ直した!お二人の演者さんについて。

桐竹勘十郎様
孫悟空を遣われた。途中、宙乗りがあり、宙を歩く勘十郎さんご自身の足の運びがあまりにも美しくて(←しかも悟空の人形を空中で遣いながらである!!)、下からほ~っとなって見とれてしまった。

この公演では、太夫さんと三味線の方が引っ込まれてから(普段の文楽ならそこで終わり)、主な人形の方々が何人か客席に降りて、前から最後列まで、ずっと通路を通って、満員の子ども達と人形と握手させて回られた。

勘十郎さんは、通路から離れた席の子ども達にもできるだけ握手させてあげようとされていて、すぐ近くまで来られた時、どきどきして見ていると、私のすぐ後ろの列の可愛いお嬢ちゃん達に、額に汗を光らせながら、手を伸ばして悟空人形をぐっと差し出された。そのお姿を見て、じ~んとしてしまった。しかも、最後に後ろのドアから退場される時、もう一度悟空の人形を、愛嬌たっぷりにちょこんとおじきさせて出ていかれたのだ。最後の最後まで、大人には有名な桐竹勘十郎ではなくて、物語世界の孫悟空として子ども達に接しられたのでした。

竹澤団七様
「西遊記」中、「火焔山より芭蕉洞の段」
豊竹英大夫さん
竹澤団七さん

世話物や時代物を語るときと全く同じ表情で淡々と語られる団七さん。柔らかな円熟、色気、芯の激しさ、厳しさ。古典の道に生きてらっしゃる色気って、こういうのを言うんだよな~と思いました。素敵ですわ!
「西遊記」は、作曲は団七さんだそうです(チラシより)。

竹澤団七さんについては以前、こちらにも書きました。25年以上前から密かに注目している方なので、これからもますます御活躍いただきたいと思っています。
[PR]

by lily63 | 2008-08-20 11:03 | 古典芸能 | Comments(0)

2007年に観た古典芸能   

●文楽初春公演
1月17日(水)国立文楽劇場

●京都観世蛍雪会(第150回)
1月20日(土)京都観世会館

●北野をどり
4月22日(日)京都・上七軒歌舞練場

●大江定期能(第2回)
5月3日(木・祝)京都・大江能楽堂

●上方講談「文月毎日亭」
旭堂南海さん、旭堂南湖さん、旭堂南青さん

7月29日(日)鶴橋・雀のおやど

●夏休み文楽特別公演
8月2日(木)国立文楽劇場

●文楽11月公演
11月3日(土・祝)国立文楽劇場

(2006年はこちら
[PR]

by lily63 | 2008-01-23 22:04 | 古典芸能 | Comments(1)

2008年初春文楽公演感想   

文楽劇場、本日行って参りました。
国性爺合戦はお正月らしく、ぱっとした演目。
よかったです!

お正月公演なので、舞台の上にはにらみ鯛と、「戊子」と書かれた凧。ここに写真が載ってます。
http://www.ntj.jac.go.jp/topics/news071220.html

途中休憩にて、てぬぐい撒きもありました。
お正月らしくていいものですね。
頑張って着物着て行ったし、帰って来ても晴れやか~な気分です。
~~~~~~~~
(感想・1月6日UP)
初春文楽公演
観劇日:2008年1月5日(土) 国立文楽劇場
第2部『国性爺合戦』
「平戸浜伝いより唐土船の段」
「千里が竹虎狩りの段」
「楼門の段」
「甘輝館の段」
「紅流しより獅子が城の段」

この演目は、お正月らしい大きさ、見た目の面白さ、異国情緒などがあって◎。

和藤内の母と、異母姉・錦祥女それぞれの筋の通し方。若い頃は、文楽を観に行って、現代ではあり得ない展開で自害するとか、内心そりゃないやろ~と思っていたが、段々わかってきた。相手の立場・心中を思い遣って、ごちゃごちゃ言葉で言う前に自分で自分の筋目を通し切る、自害は決して短絡的ではないよく考えた末の生き方なので、命を捨てる・捨てないのところに目を奪われてはいけないのである。

団七さん→燕三さん→清二郎さん→清友さんというお三味線のリレーをじっくり聴けてよかった。
人形は、文雀さんの錦祥女が素晴らしい。出てこられただけで空気が変わりますよね。「日本人ではない」、というところの表現が自然で巧み。
浄瑠璃は一番最後の「紅流しより獅子が城の段」が一番、心にフィットして聴けました。

終演後外に出たら、ちょうど、勘十郎さんが出てこられたところに遭遇。スターのオーラ光線が!!また、舞台上よりも厳しいお顔で「きゃあ~素敵~!」とミーハーな私は思ったのでした。

劇場でパンフのほかに、『吉田玉男 文楽藝話』を購入。帰りの地下鉄の中で、この聞き書きをまとめられた森西真弓さん(雑誌『上方芸能』編集長、立命館大学教授)の後書きを読む。細やかな御文章にしみじみとした気持ちにさせられた。
[PR]

by lily63 | 2008-01-05 21:32 | 古典芸能 | Comments(1)

文楽チラシ、東西の違い   

仕事が7日からなので、なかなかお正月気分が抜けません(^^;)。

さて、文楽チラシ、東西の違い。
国立劇場HP掲載の画像から。

東京は
http://www.ntj.jac.go.jp/cgi-bin/pre/performance_img.cgi?img=2833_1.jpg
こんな風に美しい人形がばーんと大きく載っている。

大阪は2種類ありますが
(上)写真は複数、主要演目が入ってる。
(下)1つをクローズアップする時も、女の人形とは限らない。

http://www.ntj.jac.go.jp/cgi-bin/pre/performance_img.cgi?img=2160_3.jpg
http://www.ntj.jac.go.jp/cgi-bin/pre/performance_img.cgi?img=2160_1.jpg

東京はすっきりしていて美しいです!
大阪は、情報量多く、親切。賑やかな感じ。
東京と比べた時、ああ、これなるほど大阪らしいわねって気がします。
観客の好みの違いが反映されているかもしれませんね。
[PR]

by lily63 | 2008-01-04 19:36 | 古典芸能 | Comments(0)