2009年劇団俳優座『村岡伊平治伝』第三次感想   

いろいろ書き散らしておりますが、結局後付けの理屈だし、なんですが、まあ、自分のメモとして書いておりますので、お目汚し申し訳ありません。

私は1幕と2幕が好きなんです。中でも、2幕の満州旅の描写が一番好きですね~。あの旅の描写を一人芝居のようにしてなさったところ。本当に生き生きしてらして、ほんとに上手くって、一人で観客の心をが~っとつかんで惹きつけて、板の上に立つことが何よりも楽しくて楽しくて仕方ない!!という心が伝わってきて、ああ~これこれこれ!私は小山さんの舞台を観るとき、こういう小山さんを観る事ができるのが好きなんだわ!という、あの興奮した気分。

1幕(天津床屋)の丁寧な描き方も素晴らしかったですね。この芝居は1幕がすべて、というところありますよね。1幕が不十分だと、あともう、何をどう上手くやったってだめみたいな。さすが俳優座さんだわ、というのは、あの1幕の芝居なんか、ほんとそうだなあと思います。

そして、2幕の終わりの日の丸が下されたところの小山さんの演技の巧みさ!
なかなかあれは、戯曲が幾らすぐれていたって、小山さんのあの演技のようにああいう風に主題を鮮やかに観客の心に自然に刻み付け(自然にと書くのは、全く押し付けがましくなく、観念的でもないという意味)、いやいや劇場にいる人間だけでなく劇場空間全体にああも鮮やかに刻み付けることは、私はまあ、あれと同じことができるのは小山さん一人しかいない、と思っています、常々。こういう不思議なこと(演技が上手い!という日本語だけでは表現できない何か。その瞬間(その芝居の肝になる場面で)、観客の心の奥深くに、何かが鮮やかに届いて行って輝くみたいな)ができはるのは、何で?ほんま不思議やわ、すごいわ~と思ってますね。

ですので、悪人性が弱い云々、何かほんとに微妙なところで、微妙に何かがずれてしまってるのではないか(小山さんの芝居として、俳優座さんの芝居として、民衆を描いたエネルギッシュで美しい芝居としては素晴らしいけれど、戯曲『村岡伊平治伝』としてほんとは微妙にちょっと違ってるんじゃないの?という感覚が残ったという意味)というのは、この芝居を私が1回しか拝見できなかったからそう思ってしまったと思うので、あと3回ぐらいは観ていたらまた違う感想を持ったでしょう。ああいう骨太で内容を濃い芝居は、1回ではやっぱりちゃんと鑑賞できないんだよなあと思います。
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by lily63 | 2009-07-29 11:54 | 演劇 | Comments(0)

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